保育所の定員増加が一因
厚生労働省の集計によると、東日本大震災の影響で調査できなかった岩手、宮城、福島の8市町を除き、認可保育所への入所を希望しながら入れない待機児童の数が今年4月1日時点で前年比719人減の2万5556人だったことが分かった。
保育所数は前年比317カ所増の2万3385カ所、定員は4万6503人増の220万4393人で国が少子化対策を始めた平成2年以来最大の増え幅となった。
待機児童の8割以上は主要都市や政令指定都市、中核都市に集中しており、特に0~2歳の低年齢児で保育所不足は深刻になっている。一方で待機児童数ゼロは9県だった。
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激化する"保活"
保育所の定員が4万6503人も増えているのに対し、待機児童数は719人の減少にとどまっている。需要と供給がマッチしていない現状が浮かび上がる。
教育サービスの供給の観点などから、働く母親の中には幼稚園へ我が子を預けたいとする人もいる。保育園の中にも幼稚園並みの教育サービスを行う園も出てきた。定員割れする幼稚園も続出する中、子ども園の完全統合は幼稚園・保育園双方の反対により先送りされた。
保育園と言っても認可外は値段も高く、認可保育園に預けるためには審査の優先順位を上げるためにも育休期間を切り上げて保育園探しをするなど"保活"を余儀なくされる親が増えた。
企業側は育休期間を延ばすなどの制度改革を行っているが、自治体側のインフラの整備が追いついていない。早急な制度改革が望まれる。
厚生労働省 保育所関連状況取りまとめ-
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001q77g.html