不安視される食育の現場
福島第一原発事故を受けて、給食が出るのに弁当の持参を許可する自治体が出てきている。東京都内をはじめ、福島や宮城、岩手、茨城といった地域にとどまらずその動きは全国に広がっている。
給食には栄養面や地産地消のこと、クラス全員で揃って食事をして楽しく食べることや食事のマナーなどを学ぶ「食育」の役割がある。文部科学省は弁当持参を無条件に認めるわけにはいかず、各教科と関連した「教材」であることを理解してほしいとしながらも、
「無理に食べさせるわけにもいかず、納得していただけなければ致し方ない」
と事実上容認の姿勢を示している。
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家庭での判断が重要
学校給食は国の基準値を守った食材で提供されているから安全であるはずだ。給食食材の産地を各校に掲示したり、放射能測定器を使った調理済み食材の調査をするなど、各自治体でも安全に対する対策を実施している。
それでも保護者は給食に対する不安を訴える。不安に対する個人差を認めて選択の自由を保護するべきであるとの指摘も教育専門家から出ている。安全の前提が崩れている今は、弁当持参に目くじらを立てず個々の家庭の判断を重視すべきだと教育評論家の尾木直樹さんは指摘している。
一方で弁当持参が増えれば給食費の徴収が減り、利用できる食材が限られたり調理師の人員削減につながり、給食制度の根幹に影響が出る可能性も指摘されている。安全性や子どもへの影響など総合的に考え、家庭で子どもと相談した上で判断することが求められている。
産経ニュース記事
http://sankei.jp.msn.com/life/news/120119/trd12011923430017-n1.htm厚生労働省 学校給食等に使用される食品等について
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001mhq9-att/2r9852000001mzop.pdf