森永乳業・和光堂の粉ミルク「ヨード不足」
8月8日、香港政府食品・衛生局が、市販の粉ミルクについてサンプル調査を行った。
その結果、日本の森永乳業と和光堂2社の製品について、「ヨード(ヨウ素)不足」であることが明らかとなり、市民に対して使用をしないように警告が出された。
ヨードとは?
「ビタミン不足」や「カルシウム不足」と違い、「ヨード不足」を聞き慣れない方は多いのではないだろうか。
ヨードとは土壌などに含まれる元素で、人体に不可欠な栄養素。
日本では、日常の食事で体に補給されることが多いという。
海藻類からも取り出せるが、コストがかかり過ぎるため、日本では現在、水溶性天然ガスのかん水(塩を多く含んだ水)から生産されている。
ヨード不足がもたらす影響は、人体形成の初期ほど深刻で、成長期の乳幼児の場合、からだの発達の遅れや障害、さらには脳や中枢神経系の発育に重大な影響を及ぼすという。
生産世界トップだが、粉ミルク基準満たさず
実は、日本のヨード生産量は年間約7000トンで、世界トップでもある。
そんなヨード大国日本であるにもかかわらず、両社の製品には世界保健機関(WHO)の基準の3分の1以下しかヨードが含まれていなかったというのだ。
販売停止と回収、検査も開始
今回品質に問題があるとされたのは、生後6か月以下の乳児用粉ミルク。
輸入業者は、政府食品安全センターから報告を受け、製品の販売停止と回収を決定。
10日から、すでに粉ミルクを使用した乳児を対象に検査が実施されるという。
ヨードの過剰摂取にも注意
一方、ヨードの過剰摂取にも危険があり、甲状腺機能低下症、甲状腺腫、甲状腺中毒症を引き起こす原因となるそうだ。
2005年と昨年には、中国で販売されていたネスレの粉ミルクが基準値超すヨードを検出して製品回収命令を出されている。
少なくても取りすぎても問題を引き起こしてしまうヨードだけに、きちんと摂取量を管理する必要がありそうだ。
そのためにも、製品会社は適正なヨード量を厳守し、その数値を公表していただきたいものである。
時事ドットコム:日本の粉ミルク、品質に問題、販売停止・回収を決定-香港
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2012080801140ブランド&ブランド:ネスレに製品回収命令、粉ミルクから基準値超すヨード検出
http://brand.takkii.com/2011/09/brand-326.html森永乳業
http://www.morinagamilk.co.jp/和光堂
http://www.wakodo.co.jp/