年々増加する校長の解雇
2009年に職を追われた学校長の数は163名。その数は、2年前と比較して75%も増加しているのだという。
中等学校校長会によると、地方議会はGSCE(※)の結果が思わしくなかったり出題予想が大きく外れたりした場合の校長に対する対処がどんどん厳しくなっているのだという。
(※)GCSE・・・全国統一で行われる、イギリスの一般中等教育修了試験のこと。
新しい苦情処理制度に怖気づく校長も
中等学校校長会会長、ジョン・ダンフォード氏によると、来年度の解雇数もさらに増える見通しなのだという。保護者による苦情処理制度が変わることが影響しているらしい。
先月の発表によると、学校の指導力不足が感じられる場合には、保護者が校長の辞任を要求することができるようになるのだという。多数の苦情が寄せられた場合には、地方議会のもとで全ての保護者による投票を行い、校長の交代も視野に入れて検討する。また保護者には、地方議会の行政監察官(いわゆるオンブズマン)に直接苦情を申し入れる権限が与えられる。
このような動きを危惧する声もある。前述のダンフォード氏は、「法律の改正により、地方議会はきちんと新制度にのっとって業務を行っていることを政府に見せないと、というプレッシャーを感じることがあります。そういうプレッシャーのために理不尽に解雇される校長が出ることも考えられる」と語っている。
発表によると、2009年に解雇された校長の数は163人。2008年は150人だったが、その前年の93人に比べると大幅な増加だといえる。ダンフォード氏によると、校長の中には解雇につながりかねない新しい苦情処理制度をひどく恐れている者もいるのだという。
(編集部 小川優子)
More headteachers 'sacked' for missing GCSE targets
http://www.telegraph.co.uk/education/7391877/More-headteachers-sacked-for-missing-GCSE-targets.html