小児科学会で報告
東京電力の福島第一原発の事故に関連して、3月下旬に福島の子どもたち1,000人ほどを対象に行った放射線被ばくの調査が7月に入って明らかになり、45%が甲状腺に被ばくしていたと報じられたが、この調査を国の依頼で行った学者が、8月13日の日本小児科学会で報告を行ったとNHKが報じた。
それによると、1,149人の子どもを対象に行った調査では、半数程度の子どもの甲状腺から放射性ヨウ素による放射線が検出され、その被ばく量は最大で35ミリシーベルトだとしている。
なくならない不安
この報告は、広島大学の田代聡教授によるもので、「健康に影響が出る値ではない」としているようだが、ネット上でも不安の声が消えることはない。「ただちに影響はない」というのはわかるが、では将来はどうなのかというのが親たちの心配のタネであり、学者によって見解が異なっていることも不安がなくならない理由だろう。
福島の子どもたちに疎開をすすめる動きがある一方、これを過剰反応と見る人もいるようで、国の決めた基準が信用できないという声が上がる状況では、個人が判断するしかないのかもしれないが、将来の賠償額を抑えようとしているのではないかという疑問の声が出ているようでは、国の対応の仕方を非難されても仕方ない。
子どもの甲状腺から放射線検出 NHKニュース
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110813/k10014892751000.html社団法人 日本小児科学会
http://www.jpeds.or.jp/