保活ってなんだろう?
皆さんは「保活」という言葉を聞いたことがあるだろうか?保育所入所活動の造語だそうだが、就職先を探す活動「就活」、結婚相手を探す「婚活」に加え、今、新たに育児休暇中の社員などが、子どもの預け先を探す活動「保活」が注目されつつある。
NHKの朝の情報番組「あさイチ」では、15日付の放送でこの「保活」についての現状を特集した。
現在、東京都23区などの都市部では、保育所への入所を希望する人が定員を上回って、入所できないという状況が続いており、多数の「待機児童」が存在する。番組では、保育が困難な家庭の子どもを優先的に入所させるため、保護者の就労条件や介護などの状況に応じ、ポイント制で指数化している世田谷区の事例を紹介した。
当然のことながら、世田谷区では指数化された得点が高い順から保育園への入所が許されるわけだが、番組では、子どもをどうしても保育園に入れたい母親が、ポイントを上げて入所選考を有利にするため、かねてから結婚生活がうまくいっていなかった夫と離婚して、1人親になった例まであったと紹介した。
ママたち自身も、保育所に入所しやすい地域へ引っ越したり、パートタイムから長時間労働に切り替えて得点を上げたり、育児休暇を切り上げて、0歳児から預けるなどの涙ぐましい努力は続けているが、現状はかなり厳しい状況にあるといえる。
子ども・子育て新システムの最終案の課題
こうした状況を打破するため、約1500人の待機児童がいる東京都足立区では、ママたち自身が「保育所つくってネットワーク」を昨年3月に結成し、認可保育園を増やしてほしいと訴えている。
しかしながら足立区ではNHKの取材に対し「0歳児の場合で1人当たり月40万円、年間で500万円近くがかかるため、すべてのニーズに応えるのは財政的に厳しい」と回答している。
政府は、子ども・子育て新システムの最終案として、保育所を①こども園(保育所型で0~2歳児)②幼児教育と保育を一体的に運営する総合こども園(原則0~5歳児)の2パターン、幼稚園を①幼児教育と保育を一体的に運営する総合こども園(原則0~5歳児)②こども園(幼稚園型で3~5歳児)③幼稚園(3~5歳児)の3パターンで打ち出し、消費税の増税分を財源に充てるとしているが、番組に登場したジャーナリストの猪熊弘子氏は「定員割れの幼稚園を保育施設として活用できる案でなければ、あまり効果がないのでは?」と否定的な分析をしている。
あさイチ番組ホームページ
http://www.nhk.or.jp/asaichi/