携帯電話は安全か?
『週刊東洋経済』の6月23号が、衝撃的な特集を組んだ。
タイトルは、『電磁波で健康被害の報告も 携帯電話は安全か?』。
携帯電話そのものや、基地局から発せられる“電磁波”の身体への安全性の疑問を投げかけ、警鐘している。
恐ろしい子どもたちの健康被害
社会実情データ図録によると、近年の携帯電話の普及率は約95%にものぼる。
もはや、携帯電話は生活必需品と課しているが、『週刊東洋経済』の記事によると、
「基地局周辺に住む住民の子どもたちを中心に、鼻血、めまい、動悸といった健康被害が続出している。」
らしい。しかもその被害は、
「基地局のアンテナが窓から見える2~3階の教室の児童や、基地局と自宅が近い児童ほど発生率が高くなっている」
のだそうだ。
しかし、こうした健康障害と基地局の電波の因果関係について、どの携帯電話会社も認めていないという。
そのため住民の不安は増すばかりで、全国では基地局建設の中止や撤去を求める反対運動が起きていたり、実は訴訟に発展していることもあるのだ。
携帯電話と発ガンリスク
さらに記事では、海外の研究で明らかとなっている、
「携帯電話を腰の付近に装着することによる精子の減少」
や
「携帯電話の電波による脳血流量の上昇」
などといった問題も取り上げている。
また、昨年5月に世界中で話題となったのが、携帯電話が抱える「発ガンリスク」。
世界保健機関(WHO)の専門組織、「国際がん研究機関(IARC)」が、携帯電話などから発せられる無線周波の電波を、発がんリスクで5段階中の3番目にあたる「グループ2B」に分類したのだ。
「グループ2B」とは、エンジンの排気ガスやクロロホルムが分類されている項目。
そんな携帯電話と、24時間365日をともにしている人たちが、いったいどのくらい日本にいるだろうか?
この研究結果を受け、早速イギリスでは16歳未満の若者に使用制限を呼びかけたり、スイスでは規制値を国際基準より厳格化したりしている。
しかし日本は、
“国際防護指針に準拠している総務省が定めた「電波防護指針」の規制下にある「携帯電話の電磁波は安全」という立場”
を譲らない。
“マスゴミ”とスポンサーの癒着
みなさんは、このような携帯電話の恐ろしい実情を知っていただろうか?
恐らく、知らなかった人が多いのではないだろうか?
というもの、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクなど大手携帯会社は、マスコミにとっては大スポンサー。
“マスゴミ”と揶揄されることが多いように、マスコミにとって自分たちの利益に反する「携帯電話の健康被害問題」はスポンサータブーなのだという。
“総務省”と携帯電話会社の怪しい関係
携帯電話会社と“ズブズブ”なのは、マスコミだけではない。
同誌の記事『"電磁波ムラ"が決める安全基準』によると、実は、
「リスク評価を行う委員に、携帯電話会社からの寄付金が渡っている事実」
があるそうだ。また、「
携帯電話会社には総務省から天下り」
があり、
「携帯電話1台につき200円の電波利用料を携帯電話会社が総務省に納める」
など、ここまで読めばいくら素人でも、総務省と携帯電話会社の特別な関係を疑うものである。
こんな状況であるからこそ、日本の「電波防護指針」も信頼できるとは言いがたい。
つまり、「携帯電話の電磁波は安全」という見解も疑わしいということだ。
しかし、政府の腰が思いのは、ご存知の通り。
もし携帯電話が本当に危険であるならば、自分たちでなんとかするしかないのだ。
同誌には対策として、
「携帯電話はできるだけ体から離して使用する。」
「子どもには緊急時以外使わせない。」
「端末ごとのSAR値を比較して最も低い機種を選ぶべき」
などが掲載されている。ちなみに、「SAR値とは、通話中にどの程度のエネルギーが体内に吸収され熱に変換されるかを示した数値」で、
「米国・ピッツバーグ大学がん研究所がその重要性を喚起しているもので、できるだけSAR値の低い端末を選ぶといい」
そうだ。
しかしながら、各携帯電話会社はこのSAR値に関してHP上でしか公表していないようなので、購入前に各社のHPをチェックして商品の的をしぼっておくことが良いだろう。
いずれにせよ、子どもたちに携帯電話を多用させることは、控えたほうが良さそうだ。
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http://www.toyokeizai.net/社会実情データ図録:携帯電話の普及率の推移
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/6350.htmlCNN:WHO:Cell phone use can increase possible cancer risk
http://edition.cnn.com/2011/HEALTH/05/31/who.cell.phones/