超エリートYahoo新社長は、妊婦さん
7月17日に、グーグル前副社長からヤフーの社長兼最高経営責任者(CEO)に電撃移籍した女性マリッサ・メイヤーに注目が集まっている。
なんと、才色兼備を備え持った超エリートの彼女は、10月に出産を控えた「妊婦さん」なのだ。
女性の立場向上?話題にすること自体女性差別?
米誌『フォーチュン』が発表する、全米上位500社「フォーチュン500」にランクされる企業のなかでも、妊娠中のCEOが誕生したのは始めてのこと。
(動画:Yahoo Names Marissa Mayer as New CEO)
出産を控えた状況で、多忙な社長業へ就任したことについて、世間は驚き、たくさんの意見が飛び交った。
News Weekの報道によると、
「子育てと企業経営を同時にこなすなんて凄い」
「女性だってすべてを手に入れられることを証明した」
「これですべての女性の立場が向上する」
「男性ならもうすぐ子供が生まれることなど話題にしならないのに、ことさら取り上げるのは女性蔑視」
など、彼女を称賛するものから、話題にすること自体を女性差別とする意見まで出ているという。
(動画:Why Marissa Mayer Can't Lose at Yahoo /DiceTV)
アメリカではちょうど、クリントン国務長官の元ブレーンで現大学教授のアン・マリー・スローターが発表した論文『なぜ、女性はいまだに全てを手に入れられないのか』をきっかけに、「ワーク・ライフ・バランス」の議論に拍車がかかっていたところ。
出産や育児などのプライベートと仕事の両立に、メイヤーさんがどのように取り組んで行くのか、非常に興味を集めているのだ。
仕事一本、育児はアウトソーシング?
しかしながら、メイヤーさんが「仕事と家庭の両立」をこなすことについて、疑問を投げかける人もいる。
Newsweekでシリコンバレー在住のコラムニストとして活躍する瀧口範子は、シリコンバレーのハイテク長者たちは、
「(キャリア以外の)人生を丸ごとアウトソースする」
ことが一般的だと指摘する。
彼女によると、
「ある程度の資産や収入のある家庭では、掃除や洗濯を自分でやっている女性は少ない」
そうで、
「専業主婦である場合でも家事に人を雇う人は多く、キャリアウーマンである場合はなおさら」
だという。
「子育て」に関しても「ナニー」と呼ばれるベビーシッターが雇われることがほとんどで、母親は、
「子育てという人生の一大事から雑用まで他人任せにして、自分は「マネージ(管理)」だけをする」
のだそうだ。
そして、こうした状況を目の当たりにしている瀧口は、
「マリッサ・メイヤーは確かに子供を出産するが、自分でつきっきりで育てたりなんかしない」
と断言した。
億万長者はキャリアに突き進むのか
すでにグーグル時代に数億ドル(100億円以上)の資産を築いたメイヤーさん。
ヤフーのCEOとしての収入は、年俸で100万ドル(約8000万円)、ボーナスが200万~400万ドル(約1億6000万円から3億2000万円)、業績次第でさらに最高400万ドル(約3億2000万円)。
さらにヤフー株やグーグルからの移籍金なども支払われるそうで、合計をすると5年間で7000万ドル(約56億円)の報酬が予想されている。
子育てからお買い物まで、キャリア以外の人生を全て外注してしまったとしても、金銭面では全く困らないのだ。
やはり、億万長者である彼女は「子育てなんかしない」のだろうか。
最も有名な女性成功者のひとりであるからこそ、「ワーク・ライフ・バランス」を実現して、世界のお手本になってもらいたいものだ。
News Week:マリッサ・メイヤーは子育てなんかしない
http://www.newsweekjapan.jp/column/takiguchi/2012/07/post-535.phpYahoo!
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