赤ちゃんの肥満 多くはその後も肥満が続く
今月11日に発表された研究の中で、全体の85%が含まれる範囲内に肥満指数(BMI)が含まれなかった111人の子どもを対象とした調査が行われている。その結果、乳児期に急速に体重が増加した子のうち半分以上が2歳までに、90%以上が5歳までに体重超過に陥っていたことがわかった。
その人が肥満になるかどうかは、非常に早い時期――どれだけ食べるか、何を食べるかを赤ちゃんが初めて知る時期――に決まる。今回の研究では、そんな「転換点」が明らかにされた。
研究代表者である東バージニア医大のジョン・ハリングトン氏は、子どもが生後三ヶ月を過ぎたあたりから、医師も保護者も子どもの適正体重や体重増加のペースを考える必要がある、と語っている。同研究は医学誌「小児科臨床(原題:Clinical Pediatrics)」の今月号で発表された。
この研究で意味するのは、やせた赤ちゃんが健康である、ということとは当然違う。赤ちゃんは本来ぽっちゃりしているものなのだ。丸々と太った赤ちゃんが太りすぎていないかの判断は、客観的にその体重増加を診察できる医師に委ねるのがベストだといえるだろう。
交通量と子どもの体重の意外な関係
類似の研究として、カリフォルニア大学バークレー校の調査員が8年にわたり、11の地域に住む合計約3,000人の子供を調査したものがある。この調査の結果では、交通量の多い地域に住む子どもほど、体重が増える傾向があることが分かった。交通量の多い地域では子どもが歩き回る機会が制限されるためだとみられる。
例えばロサンゼルスなどの大都市では、何車線もある道路でスピードも落とさずに走る車の脇を、徒歩や自転車で子どもが通学することはかなり危険を伴う。このようなことは子どもから体を動かす機会を奪い、体重増加へとつながっていく。
研究者たちは地域の議会に、交通量の緩和政策は子どもが外で安全に遊びまわれる場所を確保することにつながる、と提言している。
(編集部 小川優子)
Study looks at 'tipping point' for weight gain in toddlersUrban planning away the pounds - study links weight gain with traffic