温かい地域支援に喜びの声
必要になるのは、ペンキ358リットル、200本のハケ、それに500人の人手。ニュージーランドのオークランド地方にあるグレンブリー小学校の改装には、これらが不可欠だった。
改装を必要としていた小学校に、救いの手が差し伸べられた。同地方を拠点とするライフセンター信託のおかげで、スポンサー企業が名乗りを上げ、何百人というボランティアも集まったのである。
温かい地域支援を受けて、グレンブリー小学校は生まれ変わった。校舎の外装は塗り直され、遊び場も高学年向けのものは広くきれいになり、低学年向けのものも新しくできて、プールの周囲は殺風景なワイヤーから木々や日よけに変わった。自販機も新しくなった。
講堂や校庭も大きくなり、オンボロ小学校は見違えるほどきれいになった。子ども達も大喜びで、学校関係者も「見た目だけでなく、地域の皆さんのご厚意で実現したという事実が子どもの心に残る出来事になった」と感謝しているという。
ペイ・フォワード制度の取り入れを決定
グレンブリー小学校は、オークランドで改装という支援を受けた三番目の例に該当する。ライフセンター信託は、地域支援の一環としてある学校の改装を申し出た。2007年に実施されたこの活動は成功を収め、新たな支援先を募集して2008年に二例目を、そして今年は三例目を実現させた。
グレンブリー小学校では、今回の支援を受けて、「ペイ・フォワード制度」を学校の方針に取り入れることに決めた。誰かに親切にした子は集会で発表され、さらに学年末には、最も多くの親切行為をした子を発表して賞品も与える。
「ペイ・フォワード」とは、2000年にアメリカで公開された映画のタイトルであり、「人から受けた厚意(親切)を、その相手ではなく『次(他の人)へ渡す』こと」を意味する言葉である。映画公開後、世界各地で「ペイ・フォワード運動」が広がるなど話題を集めた。
(編集部 小川優子)
Trust paints rundown school out of a cornerYahoo!映画「ペイ・フォワード」