死亡した新生児の母親が当事者の医師を激しく非難
ブラジル国内のマットグロッソ・ド・スル州内、パラグアイとの国境近くにある病院の分娩室内で悲劇は起きた。数分以内には赤ちゃんが生まれようという感動的な瞬間を前にして、なんと医師同士が殴りあいのケンカを始めたのだ。
ブラジル当局は捜査を開始し、新生児の死亡と医師同士のケンカの因果関係について調べている。当事者である二人の医師はいずれも事件後に解雇された。
目撃者によると、勤務予定ではなかった一人の医師が分娩室に招集されたため、もう一人が怒り出したのだという。
死亡した新生児の母親、ギスライン・ド・マトス・ロドリゲスさんは怒りを隠せない。
「医者なんだから、あの人たちは患者である私のことを優先すべきだったと思います。母親にとって特別な、子どもが生まれる瞬間というものを尊重してほしかったです」とロドリゲスさんは振り返る。「私はケンカをやめて赤ちゃんを取り上げてほしいと言ったんですが・・・」。
死亡とケンカに因果関係はあるのか
目撃者によると、新生児の死亡の原因は合併症による窒息だそうだ。
当事者の二人の医師うちの一人は、殴り合いの事実を認めたものの、相手の非を強く主張した。
「私はあいつと殴り合いのケンカを始めたりしていない。向こうが先に殴ってきたんだ。私には出産を担当させない、私はもはや出産を担当することなどできない、と言ってね」。
その後病院の警備員が二人を分娩室の外に連れ出し、別の医者が呼ばれて出産を引き継いだらしい。だが赤ちゃん―女の子だった―は分娩中に息を引き取った。
この事件は、警察やマットグロッソ・ド・スル州の地域捜査機関も捜査を行う予定だという。州の副知事は、もし医師らに有罪判決が下った場合はそれ相応の罰を受けるべきだ、とコメントしている。軽い場合は警告、重い場合は医師免許停止もあり得るのだという。
(編集部 小川優子)
Dead Baby's Mum Slams Doctors Over Punch-Up