なくならない虐待・・
マスコミなどの報道によると、名古屋市のマンションで22歳の母親が、生後6か月の女の子の赤ちゃんを故意に床に落として死亡させた模様だという。この母親は11日に逮捕されたということだが、育児に悩んでいたと話しているらしく、警察では強い育児ストレスが原因ではないかと見ているとのことだ。
確かに育児は大変で、育児ストレスを抱えている母親は数多くいると思われるが、わざと床に落とすなど、普通では考えられない異常な行動だと思う人がほとんどだろう。報道では、内縁の夫との関係が悪かったことも育児ストレスの原因ではないかとの見方が伝えられているが、それにしても常軌を逸した行動であることには違いないだろう。
育児ストレス解消のために
ネット上には育児ストレスの解消法などを解説したウェブサイトが多くあるが、ほとんどの母親が育児ストレスを感じたことがあるというのが一般的な見方なようで、このストレスをうまく解消できなければ、虐待につながることも少なくないと言われているようだ。
核家族化が進み、地域社会のかかわりが薄れた現在では、母親の孤立化が問題となっているようで、多くの関連サイトでは、一人で悩まないように呼びかけているが、現実には今回の容疑者の予備軍が大勢いるかもしれないと考えると、さらなる対策が必要だと言わざるを得ない。
相談窓口などの利用も
子どもが何を考えているかわからないなどの一般的な育児ストレスの原因だけでなく、夫婦仲をはじめとして、人とのつながりが希薄化していることも大きな原因になっているようで、現実で人とつながることが困難な場合は、ネット上でも誰かと育児について気持ちを共有できれば、ストレスの解消にも役立つのではないだろうか。ネットにはブログや掲示板、コミュニティサイトなど数多くの関連サイトがあるので、育児ストレスを抱えながらも、解消できない人は、こうしたサイトにアクセスしてみたらどうだろうか。
熊本市の慈恵病院が2007年から「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)の運用を開始したことを受け、厚生労働省では同年、こうしたことは本来あってはならないことだとした上で、相談窓口の周知や取り組みなどを各自治体の担当者に要請している。
厚生労働省:虐待の連絡や出産・子育ての悩みはこちらへ
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/gyakutai/