ベネッセの調査
ベネッセコーポレーションはこのほど、同社の研究部門であるベネッセ次世代育成研究所が行った東日本大震災後の子育てや子どもの様子に関するアンケート調査結果を発表した。
震災や原発事故で信頼できる情報は何かという質問に対しては、「専門家の意見」が31.7%でトップだったが、次いで「信頼できる情報はない」が29.4%で、国の発表などが信頼されていないことが改めてわかった。
また、子どもを屋外で遊ばせることについて、首都圏では、震災直後は53.4%の母親が減らし、その理由としては73.8%が放射線の心配を挙げている。チョ差が行われた5月末の時点でも17.7%が減らしているという。
ママの不安が子どもにも伝わる
また、今回の調査では、震災前の調査結果と比較して、震災後の変化が明らかになったという。例えば首都圏について、「子どもがわずらわしくていらいらしてしまうこと」が「よくある」「時々ある」という回答は70.6%で、震災前より16.8%増えている。
さらに、「子どもが将来うまく育っていくかどうか心配になること」は70.4%となっており、震災前より10%増加、子育てに対するいらいらや不安が増えているのがわかるという。なお、父親の協力や地域とのつながりなど周囲とのコミュニケーションが多い母親の方が少ない母親よりそうした子育て時のいらいらや不安が少ないという。
一方、子どもの様子については、同じく首都圏で、ストレスサインである甘えが増える傾向にあるという。その特徴について、震災直後は0歳から2歳の低年齢児より3歳から5歳の高年齢児の方が多いが、震災後2か月が過ぎると、低年齢児の方が回復しにくい傾向が見られるという。
調査は、5月に0歳から5歳の子どもを持つ母親を対象に行われた。結果については、「母親たちが確かな情報が少ないことに迷いながらも、子どもを守るために自己判断して行動していることがうかがえます」としており、このことが母親のストレスにつながり、それが子どもにも影響を与えていることが読み取れるとしている。
株式会社ベネッセコーポレーション
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